渚​乃​奏 feat​.​あ​と​ら​む - 夢​の​終​わ​り​、​世​界​の​終​わ​り

from 新​世​紀​の​胎​動​(​ダ​ウ​ン​ロ​ー​ド​版​) by 渚乃奏

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lyrics

コツ、コツ、と私の足音が響く。
真っ白な世界。
一定の歩幅で、コツ、コツ、と歩いている。
コツ、コツ、コツ、コツ…
コツ、コツ。
ふう、とため息をついて立ち止まった。


たぶん、私は夢を見ている。
真っ白な世界には私と私の影。
それだけしかない夢の世界で、私は目覚めるのを待っている。
気が遠くなるまで同じ場所にいる夢。

それから、私はこの世界をまっすぐ歩くことにした。
変わらない真っ白な景色を見て、私は私自身について考えてみた。
どうして私はここにいるんだろう。
答えはきっと、どこにもない。


神様は無償で願いを叶えてはくれない。
愛情は無償では分けてもらえない。
わかってはいるけど。
こんな私に差し出せるものはどこにもないし。
それに、たぶん受け取ってもらえない。
わかっていたことなのに。
尋ねることもできないのは、なぜ。

 
突然、身体に突き抜けるような衝撃を感じた。
槍のようなものが私を貫いている。
バランスを失って大理石のように冷たい平面へ倒れた私は、この世界に降り注ぐたくさんの刃物の、ぼやっとした真っ黒で巨大な影が流れていくのを見た。
そして、私を貫いていたものは泡のように消えて、痛みだけが残った。
物理的な痛みではない。
私の大事なものが手を離れていった痛み。
止める術はない。

熱い。
顔が、熱い。
溢れ落ちた涙はもっと熱い。
それから、仰向けになって、変わらず降り注ぐ刃物の滲んだ影を見る。
わかってはいるよ、答えは私の中にしかないと。
最適解はわからないけど、いつか、わかる。
わかったときに、たぶん、思う。

“わかってた”って。

その時、再び衝撃が訪れた。

“死ぬ”

初めてじゃない。
何度も、自分が死ぬ夢を見た。
それ以上に、自分が死ぬことを夢見た。
終わらせたかった。
醜い世界だから、醜い私だから。
ばいばいしなきゃいけないと思っていた。
きっと、それが今なんだ。
もう死んじゃうんだっていう、半分受け容れてしまった感じ。
ここが私の行きたかった場所だろうか。
遺されたみんなは、この言葉をどう受け取るのだろう。
意識が途切れた。

現実に戻る時間だ。

credits

from 新​世​紀​の​胎​動​(​ダ​ウ​ン​ロ​ー​ド​版​), released September 11, 2018
music by 渚乃奏
lyrics by あとらむ

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about

k.TAMAYAN Ishikawa Prefecture, Japan

1992年石川県金沢市で生まれる。
2005年ごろから独学で音楽制作を開始。
2009年よりニコニコ動画を中心に「k.TAMAYAN」名義で活動を開始。動画視聴者から「手書きノートP」の異名を与えられる。
同年9月、小松市立高校の文化祭にてギターによる弾き語りで初のライブ出演を果たす。以降、高校・大学のイベントで弾き語りによるライブ出演を続ける。
2012年にはオリジナルバンド「終末時計」を結成し、筑波大学内を中心にライブ活動を開始。
2017年、終末時計を解散し、AMAX MUSICより「玉谷研太」名義での活動を開始。同年6月、鎌倉FMのラジオ番組にゲスト出演。

また、同年6月7日にAMAX MUSICより、シングル「21世紀の怪物」をリリース。
2018年5月15日より、Vtuber「渚乃奏」の運営を開始。
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